生存術教書 How To Survive (サバイバル技術アーカイブズ)

暴行・脅迫・詐欺などの犯罪の危険を予防する

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犯罪を予防するということ

「君子危うきに近寄らず」。言い古された言葉だが、果たして実行されているだろうか。危機管理は既に発生した危機に対処するばかりではなく、普段から備えをしておくこと、危機が発生し難い状況をつくり出すことに重点をおくべきだ。

状況分析(認識)−危険予測−危険回避

最終的には物理的直接的な危険排除へと繋がる一連の対処のうち、最も重要なのは、認識である。物騒な世の中だと聞くと、すぐに護身術を習い始めたり、メイスを購入したりする例が多いが、あなた自身の心こそ、あなたを動かす源なのだ。

楽観

楽観的な考えには、多くの場合、根拠がない。「大丈夫」「きっと」「誰かが」「助けてくれるさ」、これらの言葉は意味を持たない。最悪の状況を想定し、準備したからこそ、落ち着いていられるというものだ。

誰が安全をもたらすのか

多くの人は、たびたび不祥事はあっても、日本国内での警察・消防活動には、ひとまず信頼をおけると判断しているだろう。だが、あなた自身やあなたの家族の人生には、つまるところあなた自身が責任を負うのだ。警察・消防がいくら優秀であっても、必要なときにいてくれるとは限らない。彼らに依存してはならないのだ。防衛の第一線にはあなた自身が立たなければ、専ら幸運にすがる他ない。

恐怖心

街を歩いていると、危険が迫った状況でも無防備でいる人が多いことに驚かされる。無関心からそうしている場合もあるだろうが、これは論外として、恐怖心から動けない者もいるだろう。しかし、あなたの直面する危険が何であれ、あなた自身がまず対処すべきものは、自分自身の恐怖心である。もっとも、恐怖心は、危険に対処する際に必要不可欠のものであって、恐怖心を持たないということは状況認識が甘いことを意味する。従って、恐怖心を克服するということは、恐怖心をなくしてしまうことではなく、コントロールするということなのだ。自身の恐怖心を認めなければ、本当の意味での勇気は発揮し得ないだろう。まず自分の恐怖心を認め、ゆっくりと深く呼吸し、最善の方策を思い巡らせるのだ。何度か繰り返せば、瞬時の判断にも迷うことはなくなるだろう。

怒り

特に男性の間では、恐怖心は恥ずかしいもの、蛮勇こそ男の象徴、とする向きがある。そのため、恐怖心は必死にコントロールしても、怒りには身を任せる者が多い。だが、恐怖も怒りも認識を誤らせる点では同じであり、自らを危険に導くという点では怒りの弊害は恐怖心のそれよりも遥かに大きい。

犯罪の芽を摘む

ここで述べるのは、青少年の健全育成についてではない。結果的に犯罪者となる者は、必ず、犯罪のチャンスを得ている。純粋に偶然の場合は個人で未然に防止するのも難しいだろうが、ほとんどの場合、何らかの予防策がとれたと考えられる。従って、さしあたってまず、犯罪のチャンスを奪ってしまうことが最善の策となる。例えば、近道をして暗い道を歩けば、隠密に行動する能力の低い者に犯行を容易にする。いい加減な戸締りをすれば、鍵をあける技術の無い者に犯行のチャンスを与えることになる。もし、必要な処置をとっていれば、犯行を達成できる者はより限られる筈だ。つまり、あなたの留意により、犯罪遂行能力にハードルを設けることができるのだ。

敵の目で見る

犯罪者がどういう行動に出てくるのかは、彼らの身になって考える必要がある。元クラッカーがコンピュータセキュリティのコンサルタント企業を営むのが良い例だ。夜道であなたを襲う者は、あなたと同じ場所から隠れる場所を物色した筈だ。あなたも同じ視線で見ることが必要だ。だが、一方で忘れてはならないのは、あなたが素人の目でしか見ることが出来ないということだ。見落としがあるかもしれないという疑いを忘れないこと。


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