生存術教書 How To Survive (サバイバル技術アーカイブズ)

災害用非常持出品

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最終更新:2006.10.24.

非常持出品のチェックリストです。 いざというとき暗闇でもすぐに装着し持ち出せなければ意味がありません。 ガラスの近くや下敷きになり易い場所には、置かないようにします。 内容物選定に当たっては、軽量化を第一に、次にコンパクト化を考えます。

災害用非常持出品チェックリスト

1人分の持出品

全てベッドの近くに!数量は目安です。

服装

運搬

食料関係

救急・衛生

貴重品

衣類等

衛生

その他

補足

上記のみでもかなりの重さになります。少しでも軽くなるよう工夫して下さい。使用するザック(リュックサック)やその背負い方によって体感重量が大きく変化することにも留意して下さい。肩から背面と腰で荷重をしっかり受けるように背負います。ショルダーパッド、背面パッド、ウェストベルトがしっかりしている軽登山用のものが良いでしょう。その意味で、市販の非常持ち出し袋はいくらアルミ蒸着でもお薦めできません。安物のデイパックの方がいくらかマシです。ザックにシリコン撥水スプレーをかけるのも一つの手です。但し記事自体に防水性がない場合、スプレーだけで防水効果は期待できません。撥水と防水は異なります。スプレーで期待できるのは撥水効果です。防水のために中にポリ袋を入れて対処します。
細かい装備品はベストに収納していつでも取り出せるようにしておきます。収納する物品は、脱出時に荷物を諦めなければならない場合にも最低限のものだけは残るように吟味します。どこに何を入れたのかを把握しておきましょう。

初期の段階で、玄関を開ける為等にバールが必要になるかもしれません。 これも取り出しやすいところに収納してください(バールが無ければバールを取り出せないということの無いように)。

乳幼児や女性についてはどうしても携行品が多くなります。家族で分担する等工夫して下さい。

帽子や防災頭巾より、軽くて雨も防げる樹脂製ヘルメットが便利だと思います。火には弱いのですが、ヘルメットが溶けるほどの状況の中をくぐり抜けることを前提にすると、消防士のような服装になってしまいます。

懐中電灯(フラッシュライト)はLED使用の物をお薦めします。霧・雨や煙の中ではキセノンバルブ(電球)のほうが見やすいという意見も根強いのですが、フィラメント電球に比べてLEDは電池が長持ちします。但し、非常に明るいタイプのLEDライトは近くを照らすには明るすぎてまぶしく、また電池の消費も大きいのでお薦めしません。LEDでも光色の違いはあります。真っ白よりやや黄色い光が見やすいと言われています。フラッシュライトは、LEDの技術革新により、最近、製品の進化が著しい分野です。
国内市場で手に入れやすい物としてはお薦めライト→ GENTOS(ジェントス) パトリオ9 GP-9GENTOS(ジェントス) パトリオ8 GP-8 。GP-8は点灯時間が短いのですが、単三電池1本で駆動し、軽作業・バックアップ用としてベストのポケットに入れておくのに適しています。エネループに対応しているので普段使いにも良いでしょう(メーカーによると、新型のエネループは自己放電が少なく防災備蓄用としても良いそうです)。その他、海外通販とライトの知識があればDX (DealExtreme.com)等で安価に入手出来ますが、トラブル・手違い等国内通販とは異なる面もあるでしょう(注文から荷着まで2ヶ月待ちのことも)。UltraFire Cree C3 Flashlight with 2xAA Extension Tube Bundle 等が、最新の製品ではなく信頼性も高くありませんが充分な明るさがあり手頃です。海外では次々に新製品が出ています。ライトが好きな方ならSureFirePELICANStreamlightFenixEnergizer、その他様々なメーカーから高性能で丈夫なライトが出ていますので趣味を兼ねて購入してみてもいいでしょう。ただし、電池はCR123Aやリチウムイオン充電池などやや特殊なものを使う製品が多いです。
ヘッドランプは両手を使えるので便利です。専用品と比べると使い勝手は落ちますが、手持ちのライトをバンドに差し込んで頭部に取り付けられる製品(NITEIZE(ナイトアイズ) ヘッドバンド等)もあります。バンド類はヘルメットに取り付けると滑る場合がよくあります。専用の樹脂製取付具もありますし、予めヘルメットに貼っておいたガムテープで固定しても良いでしょう。何年も貼ったままにしておくと接着剤が劣化してべとつくので定期的に貼り替えて下さい。
ライトの大きさ・重さからの制約や入手が容易・安価等の理由で、電池の種類は単3電池(AA)に統一しておくことをお薦めします。単三なら予備電池も軽量・コンパクトになります。電池を入れたまま保存して液漏れしないように注意して下さい。もちろん、単三電池仕様のライトを備えた上で、充電池やCR123Aを使用するライトをも準備して、使用出来る電池を多重化しておくという方法もあります。買い占めが始まった時に、CR123Aはまだ競争率が低いかもしれませんし、リチウム電池は比較的長期保存に向いています。単三のリチウム電池という物もあります。

フラッシュライトの例
GENTOS(ジェントス) LEDライト パトリオ 【明るさ80ルーメン/実用点灯12時間】 GP-9
GENTOS(ジェントス) パトリオ9 GP-9
単三電池2本使用(エネループ充電池対応)
実用点灯(High) 約12時間
実用点灯(Low) 約36時間
クイックフラッシュ 約30時間
防滴仕様
適度に光が拡散
充分な明るさ
単三電池2本で長時間点灯
GENTOS(ジェントス) パトリオ8 【明るさ80ルーメン/実用点灯1.5時間】 GP-8
GENTOS(ジェントス) パトリオ8 GP-8
単三電池1本使用(エネループ充電池対応)
実用点灯(High) 約1.5時間
実用点灯(Low) 約4.5時間
クイックフラッシュ 約4時間
防滴仕様
適度に光が拡散
充分な明るさ
点灯時間が短い
掌に収まるサイズ
バックアップ用途に

ここではアーミーナイフ(折畳ポケットナイフ)を使用して缶を開けると想定していますが、所謂「パッ缶」に慣れてしまった現代人にとって、缶を開けるのは予想以上に面倒です。缶切り専用の道具を揃えるなら、トッパー缶切やガンジー缶切をお薦めします。特にトッパー缶切は切り口も綺麗でしかも刃が汁の中に浸からない優れものです。ガンジー缶切のほうは業務用として使われているもので仕組みは通常の缶切りと同じです。戦闘糧食として缶飯が主流だった頃に米軍兵士がよく使っていたP-38 Pocket Can Openerは非常に小型でありながら切れ味も鋭く優れものでした。今でも販売されていることがあるようです。それよりも少しだけ大型のP-51というものもあります。

靴は安全靴を推奨する意見をよく聞きます。確かに安全靴は頑丈で怪我を防ぐ効果も当然あるのですが、非力な方やはき慣れない方にはかえって大きな負担になることも考えられます。普段から履き慣らしていて問題のない方は良いと思います。また足が潰れないように爪先に内蔵されている先芯が鋼製ではなく樹脂製の安全靴は、比較的軽量で履きやすいことが多いようです。ヘルメットや安全靴は、ミドリ安全の製品が高品質です。安全靴は青木安全靴シモン、ヘルメットではトーヨーセフティーなどの製品も有名でよく見かけます。

軽量な安全靴の例
ミドリ安全 軽量 樹脂先芯 スニーカー スリッポン ワークプラス MJ333 シルバーグレー/ブルー ミドリ安全 軽量 樹脂先芯 スニーカー スリッポン ワークプラス MJ333 シルバーグレー/ブルー

紐のないスリッポンタイプは寝ぼけていても履きやすいので寝室に置いておくと良いでしょう。
ミドリ安全 歩くための、 歩いても疲れにくい フラットソール 安全靴 樹脂先芯 WK310L ミドリ安全 歩くための、 歩いても疲れにくい フラットソール 安全靴 樹脂先芯 WK310L

こういうタイプはスーツ姿でも違和感が少ないので、会社に用意しておくのも良いでしょう。

当然ですが、災害時は心が動揺します。特に親しい人々や住み処を失った時の衝撃は計りしれません。何か心の支えになるようなもの(誰かの写真など)があれば、複製出来る物はして一緒に持ち出せるようにしておいて下さい。家族の写真は、はぐれた家族を捜すときなどにも役立つかもしれません。避難先で少し落ち着いたら日記を付けるのも良いでしょう。また、そんな余裕もない人々も沢山いらっしゃるでしょうから、お互いに助け合うという精神を最優先に行動して下さい。


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