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何事も思い通りに進むとは限らない。常に複数の選択肢を用意し、柔軟に対応できるように予め計画に盛り込んでおくこと。
道具や手順はできるだけ単純なものにする。単純であればあるほど予期せぬ状況が起こり難く、信頼性が増す。修復も容易。
KISS(Keep It Simple Stupid)は、軍隊で使われる用語。
常に警戒するというのは初めの内随分疲れるものだが、慣れてくると警戒すべきポイントがある程度見えてくるようになる。警戒すべきポイントとは自分が油断しやすい状況ともいえる。例えば、自宅のドアの鍵を開ける瞬間などが危険だ。暗い夜道を歩いてきてやっと自宅に辿り着いたときは、誰でも油断しがちである。だが、敵にとっては侵入するまたとないチャンスとなることに気付くべきだ。エレベータに乗る際も、ボタンのそばに壁を背にして立ち、相手を視野から外さず、かつ凝視しない。その他無数の場面でも自分なりの工夫が出来るようにしておくことが大切だ。
セキュリティシステムを高価な総合警備システムだと思い込まないこと。セキュリティシステムの費用と効果は比例しない。安価な物でも大きな効果をあげる場合も多い。例えば、有刺鉄線や電灯、窓の桟にかませる一本の棒などがコストパフォーマンスに優れている。一点豪華主義ではなく、全体のシステムとして効果的に機能するようにデザインする。
まず言えるのは、あなたを攻撃する敵はあなたを弱そうだと判断したということだ。そのあなたが反抗した場合は、さらに大きな力で組み伏せようとするだろう。つまり敵の暴力を誘発していることになる。それでもなお、その敵に打ち勝つためには、体格が劣る分、相当の腕前が必要だし、相手が素人かつ単独犯で、しかも凶器を所持しない状況になければならない。したがって、あなたが例えある程度武道に秀でた人物であったとしても、警戒心を失うのは愚かなことだと言える。
だが、何かしら体を動かす練習を積むことにより、確かに身のこなしは格段に良くなるに違いない。もし既に武道に入門しているならそれを続けることにより、ひょっとすると役に立つこともあるかもしれない。しかし、どんな武道でも先ずは基本的な体の動かし方を練習しなければならない。プロフェッショナルの格闘家だってランニングするのだ。武道の経験が全くないなら、ジョギングやプッシュアップといった費用も手間もかからないトレーニングをおすすめする。但し、運動に関する基礎知識は書籍やかかりつけの医者・トレーナー等で確認しておくこと。いきなり運動し始めると、循環器系に極端な負担がかかるし、関節等を痛める例も多い。まず正しいウォームアップ、ストレッチを学ぼう。トレーニングそのものは特別な道具を使わなくても充分出来る。あると便利なのは懸垂用の棒ぐらいなものである。そして、たいていの場合は、体力練成を充分やれば毎日の時間はなくなるはずだ。それ以上の時間を工面して武道の稽古をするのは、趣味の領域になるだろう。あくまでも体力練成をベースにして、なお時間が許せば、そして興味があれば武術を稽古すれば良いだろう。武道は、即効性のある護身術としてではなく、むしろここに述べたような精神を養うものとして捉えるべきだ。
古典的に優秀とされてきた懐中電灯(フラッシュライト)。いきなり相手の顔を照らせばある程度視力を奪えるし、クボタンや警棒代わりにも使えないこともない。が、何よりフラッシュライトとしての本来の機能が優秀であった。従来はフィラメント式であったが現在ではLEDモデルのライトが主流となり、マグライトやシュアファイアもLEDモデルをラインナップに加えるようになった。
鋭い突起のある物や不必要に大きな物を携行すると、軽犯罪法違反と指摘される可能性がある。
ひもを引き抜くとけたたましい音が鳴り響くもの。ある程度は有効な商品だが、とっさに使える状態で携帯しないと意味がない。いざそのときに、バッグをごそごそと探すわけにはいかない。動作が確実でなるべく音の大きいものを選ぶ。また音を聞いた者が必ず通報してくれるとは限らない。何の音か分からない者もいるからだ。職質を受けた際に凶器と見なされないのが利点か。
メイスと呼ぶこともある。成分や形状等様々な種類がある。催涙ガスには赤唐辛子抽出成分のオレオレシン・カプシウム(別名カプサイシン、OCガス)と化学合成されたクロロアセトフェノン(CNガス)の2種類がある。OCガス、CNガス共に、涙・鼻水・咳が止まらなくなる効果をもたらす。化学合成のCNガスはOCガスと比べて気化しやすく、暴徒鎮圧などに使われて効果をあげているが、麻薬中毒者や泥酔者には効果がないという短所がある。OCガスは麻薬中毒者や泥酔者、動物にも効果がある。成分はどのタイプでも信頼できるメーカーのものなら、後遺症は殆ど気にする必要はない。形状は、とっさのときに自分に向かって噴射しないために噴射方向のわかりやすいものを選ぶ。噴射方法は大きく分けて霧状と液状がある。勢いがあり狙いやすい液状が良い。霧状は風の影響を受けやすい。確実に命中したか分かりずらいので、顔全体にたっぷりと吹きかけるようにする。ただ、襲撃されたときに早撃ちガンマンのようには対応できるとは考えられない上、こういった薬剤に強い耐性を持つ者もいる。それに加えて、無闇に持ち歩いてよいものではないので、おすすめできない。携行すると軽犯罪法違反と指摘される可能性がある。
この他にもASPバトン(特殊警棒、伸縮式の警棒)やスタンガンなど様々な防犯グッズ(?)が市販されているが、どれも一般人の護身具として有効とは思えない。むしろ、犯罪者側にとって便利な道具ともいえる。そんなものに高い金を払って使いこなすことも出来ず警察官に職質されて没収されるより、まず危機的状況を予防することに留意し、いざというときには死に物狂いで逃げる方が遥かに合理的だ。携帯電話も立派な護身グッズといえる。
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