生存術教書 How To Survive (サバイバル技術アーカイブズ)

市街地での具体的方策のヒント

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まず初めに

あなたの居住地(滞在先)付近で、夜中まで営業している店舗・公衆電話などの場所を把握しておくこと。携帯電話はこまめに充電しておくこと。緊急連絡先を記したカードを所持すること。但し、このカードには必要以上に個人情報を書き込まないこと。

(2001/10/18)

自宅玄関付近での警戒

自宅のドアの鍵を開ける瞬間は非常に危険だ。暗い夜道を歩いてきてやっと自宅に辿り着いたときは、誰でも油断しがちである。だが、敵にとっては侵入するまたとないチャンスとなることに気付くべきだ。

帰宅した際、家の鍵を玄関前で探さないで済むように、早めに手にしておく。ただし、じゃらじゃらと振り回さないこと。不審者の注意をひきつける事になる。手のひらで包んで、他人からは視認出来ないように持つ。

家の玄関前はライトでしっかり照らしておくが、闇の中で鍵を開けるあなたの姿がスポットライトで浮かび上がらないように、ドア付近のみの照明は避ける。

車で送ってもらった場合は、ドライバーに、あなたが完全に家の中に入るのを見届けてから発進してくれるように頼む。

オートロックの共同玄関の場合、もし見慣れない人物が玄関前で待っていたら、顔をしかめながらポケットの中をさぐり何かを思いだしたような振りなどをしてその場から立ち去り鍵を開ける事を避け、不用意な親切心を出さないようにすること。共同玄関から自宅玄関の間も意外に危険。人の目が少なく逃げ道も限られているからだ。

エレベータに乗る際も、ボタンのそばに壁を背にして立ち、相手を視野から外さず、かつ凝視しない。できればここでも用事をを思い出した振りをして同乗を避けるべきだ。

郵便受けには氏名全てを記入せず、名は書くにしてもイニシャルのみにする(例:鈴木.K)。

ゴミ出し等わずかな時間でも必ず施錠すること。

ドアスコープは通常内側からのみドアの向こうを覗けるという便利な仕組みだが、ある種の極めて単純な原理を用いた製品を用いると外側からも覗くことができる。また特別な器具を使わなくても、夜間部屋の明かりが点いているかどうかを確かめられる。スコープのあるドアの内側部分には覆い(フタ)をしておくべきだろう。小さなボール紙の上辺をテープでドアに貼り付けるだけでいい。安価なタイプのドアに付属する郵便受けにも注意。

(2001/10/18)

警報装置 , 防犯装置

警報装置が何度も誤作動したら、警戒すること。敵は、誤作動の連続で警戒心の緩んだところを狙っているのかもしれない。警報が鳴っても信用しないなら、設置した意味がない。警備員の到着までにすることや、電話連絡後に警備会社が来ないことになった場合の手順を決めておくこと。警備会社の警報システムは使い方によっては有効なものだが、決して依存してしまってはならない。警報システムは信号を発するだけで、実際の侵入を直接食い止めることはできない。また最近では警備システムを設置した商店等を集中的にねらうという事件も発生している。警備システムを導入しているということは金目のものがあるということだと判断された結果である。犯行グループは、警備会社の警備員が到着するまでは10〜15分はかかるであろうと予測し、5分程度で引き上げている。もちろんそれでも犯行グループが現場近くにいるうちに警察へ通報できるのだから、警報の意味は一応はあるのだが。

(2001/10/18)

センサー付電灯

近寄るものを感知するセンサーを内蔵した電灯は、比較的安価で優れたセキュリティシステムだといえる。なるべく敷地境界ぎりぎりまで反応するよう設置するのが望ましいが、通行人全てに反応するようにしてはならない。電灯がついても誰も警戒しなくなるからだ。電灯がつけば、誰かしら敷地内に踏み入ったことを意味するものでなければならない。

(2001/10/18)

錠前 , 鍵

ピッキングの被害拡大から、錠前に対する関心が高まっている。確かに、より安全性の高い商品(例:CP-C認定錠)が開発されてきている。勿論それらは有効であるが、決して確実ではない。一つの錠前をより良いものにするだけでなく、複数の錠前を設置する方が良い(ワンドアツーロック以上)。絶対に破られない錠前を家庭に設置することは不可能だからである。10分で破られる錠前を1つ設けるより3分で破られる錠前を3つ設ける方がガードは固いし、防犯意識が高いと見なされ狙われにくい。(ひとけの無いところではそうとも言えないが。)そこで、「面付本締り錠」を補助錠として複数併設することをおすすめする。2つ程度設置すれば通常の賊はあきらめる。

また、いくら錠前を立派にしても、ドア板がペラペラだったりドア枠・ヒンジがもろくては、効果は薄い。ドアそのものを簡単に壊されてしまう。(日本式外開きのドアは構造上弱い。)以前、錠には触れずドアノブごと引き抜いてしまう手口がよく見られた。(モノロックはドライバー・プライヤーの攻撃に弱かったため。)バールでこじあけるという手口もあるので、ドアと外枠の間に数ミリ以上のすき間がある場合は、ドアプレートを設置してすき間をふさぐ。

賃貸住宅の場合は対処が面倒だ。まず、玄関ドアにピッキングに弱いディスクシリンダー錠(構造が簡単で安く大量生産し易く、非常に多く用いられている。)を使用しているなら、家主に交換を依頼する。(決して家主に無断で交換しないこと。)更に、ドアを傷つけずに取り付けられる補助錠もあるので設置する。

忘れてはならないのが、鍵の管理。玄関前の植木蜂の下・ポスト・くぼみ等に放置してはならないのは当然だが、鍵を入れた上着等を預けたり放置したりしないこと。簡単な材料で複製できる。根拠の無い安心感から鍵の管理に杜撰になってはいないか反省してみる。

(2001/10/18)

株式会社松本建築金物店ロック&セキュリティ事業部セキュリティ講座
http://www.mazken.jp/lands/cnts/security/securitytop.htm
錠前についてかなり詳細に説明されている。非常に役立つ内容。是非参照して欲しい。
(2004/05/21)

ガラスはガラスとガラスの間に粘り気のあるフィルムを挟み込んだ合わせガラスにする。強化ガラスは防犯上殆ど意味が無い。窓にも補助錠を取り付ける。小さい窓でも安心しないこと。猫同様、泥棒も頭が入れば忍び込もうとする。

窓の外には面格子を設ける。ただ取り付けただけでは不十分で、接点部分を針金で補強したり、取り付け部分のねじ山をつぶしておくなどしておかなければ簡単に取り外される。(設置施工時に観察しておくと良い。)面格子を設置した場合、緊急時に脱出が困難となる欠点があるが、最近では、内部からロックを外すと開く仕組みになっている商品も開発されている。脱出経路が他に複数存在しない場合は有用だろうが、防犯上のリスクは高くなる。

(2001/10/18)

高い塀

高い塀は、犯罪の抑止にはつながらないといってもいいだろう。トラックで来て荷台の上に脚立を立てれば、たいていの塀は乗り越えられる。いったん越えれば、塀は犯罪者にとって絶好のかくれみのになる。通行人からは中で何が起こっているのか窺い知ることができない。広い庭にはフェンスや生垣、潅木等の障害物を不規則に設置し、障害を構成すること。

(2001/10/18)

貴重品の隠し場所

寝室のタンス、冷蔵庫、ごみ箱の底、天井裏など、これらについては様々なメディアにより巷間ですっかり言い古されてしまったので、最早有効な隠し場所ではなくなってしまった。そこで、これらの場所には、イミテーションの宝石、使わなくなった鍵、封筒に入れたわずかな現金等のダミーを入れておく。あちらこちらにダミーがあれば開封して本物を吟味する手間がかかることになる。

金庫を利用する場合は、なるべく大型の防犯タイプのものを選ぶ。床面と固定するタイプの物がある(モノによっては固定が甘い・弱いので注意)。家庭用耐火金庫はあくまで火災用である。さらに、金庫自体を偽装すること。金庫自体を持ち去られるケースも多い。

(2001/10/18)

訪問者の身分確認

誰かが玄関にやってきても、すぐにドアを開けてはならない。必ず、相手の身分を確認すること。待たされて本当に困るのは宅配ぐらいだろうが、これは社名入りのトラックが駐車してあることである程度確認できる。また、さらに言うなら、身分証は簡単に偽造できるし、たいていの人はそこに何やら番号と顔写真があれば、本物だと思い込んでしまうだろう。ましてや制服や名刺など何の証明にもならない。その人物が提示した番号ではなく、予め自分で調べて貼っておいた関係各局の番号に問い合わせるのが一番確実である。

だが、日常生活で完全な確認がどうしても不可能で省略するならば、まずドアスコープで確認し、その後チェーンはかけたままで用件を聞いたり、相手が侵入しようとした際の対策を考えておいたりしなければならない。宅配便の場合も、ドアチェーンを掛けたまま応対し、荷物は外に置いてもらって後で取りに出る。(既に、宅配便を装う手口の事件が現実に日本国内で発生している。)緊急事態などを理由にあなたの家の電話を使いたいと言う者が来ても、絶対に中に入れてはならない。ドアをロックしたまま用件を聞き、どうしても必要なら自分が代わりにかけるようにする。それでも相手が強引な姿勢を貫くようなら、迷わず警察に通報する。

(2001/10/18)

通勤通学に使用する道順

何者かに狙われているようなら、決して、毎日同じ道を同じ時間に通るようなことをしてはならない。3日も観察すれば、4日目には犯行を実行できる。安全なルートをいくつか用意して、必ず、不規則に変更する。(同じ道を同じ曜日に通る、2日おきに通るなどのパターンが存在する場合、そのパターンが読まれた時点で変更が無意味になる。)家人にはその旨伝えておく。カレンダーに、家人にしか分からない記号でどの日にどのルートを使うのか記しておく。記号の凡例はカレンダーとは別の場所に保管する。

(2001/10/18)

ひったくり

ひったくりの手口は、背後から忍び寄り、全速で逃走するケースが圧倒的に多い。バッグは必ず肩ひもをかけるようにする。治安の悪い地域ではたすきがけにする。バッグは自分が沿って歩く壁側(道の外側)にかけ、体に密着させる。犯行の対象として狙われないようすることが何よりも大事。従って、ひったくり「防止用」のブザーは、防止にはほとんど役立たない。驚いた犯人がバッグを手放すことを祈るばかりであるが、犯人が比較的冷静な場合、ブザーだけを放り捨てることも十分考えられる。原動機付き自転車で強引にひったくるケースも多いので、バッグのひもを手にまきつけたりしないこと。犯人は、手にもっているだけだと誤認してひったくるが、その結果あなた自身が路上を引きずられる可能性があるからだ。

実際に被害にあった場合は、相手をよく観察すること。犯人の特徴・バイク等の特徴・逃走する方向を確かめて警察に通報する。決して奪い返そうと追いすがったりしないこと。被害があなた自身の身体にまで及ぶからだ。

(2001/10/18)

夜間、治安の悪い地域で停車する場合は、ウィンドウは締め切るか少しだけ開ける程度にし、ドアはロックする。停車中、誰かがあなたの車に近付いて来たりして危険を感じたら、パニックにならないように自分をコントロールしながら、クラクションを鳴らし周囲の注意を引くようにする。あわてて発進せず、よく周囲を観察する。歩行者に話し掛けられて危険がないようでも、ウィンドウは全開にしないこと。相手が腕を入れられない程度に開ける。尾行されている可能性を感じたら、慌てずに3回程角を曲がり、後方を確認する。可能性が高いようなら、すぐに一番近くにある警察署、消防署もしくは営業中のにぎやかで明るい店舗に向かう。決して逃げ切ろうとしない。相手が追い越そうとしたら注意する。道路をふさぐように停車してあなたの車を止めさせるかもしれない。スピードを落として、バックせずにUターンできるだけの間隔をあける。

駐車する場合は、車強盗や車上荒らしなどを避ける為、明るい場所を選ぶ。降車前には周囲をチェックしてから。車を離れる際にはロックの確認を。また、乗車前には、車の周囲や後部座席などに誰か隠れていないかチェックする。

(2001/10/18)

歩行中

良く利用するコースに関しては、予め公衆電話や緊急用電話の設置場所を確認しておく。他人にしつこく話しかけられた場合は、返事せず無言かつ早足で歩き続け、相手がよそ見したり気を抜いたタイミングをみて助けを求める。こういったケースでは、強い拒否やあいまいな返答はどちらも避けるべき。相手に対する関心を都合よく解釈され、エスカレートする可能性がある。

たとえ短い距離であったとしても、あまり通ったことのない道や街灯の少ない道などを近道として絶対に利用しないこと。誰かに尾行されている可能性がある場合は、そのまま帰宅せずにコースを変え、できるだけにぎやかな店舗に入り、家族または(必要があれば)警察に電話連絡する。まっすぐ帰宅した場合、身体は無事だったとしても住所が知られることになる。それが相手の目的かもしれない。

車に乗っている人間から声をかけられ危険を感じたら、車の向きとは逆方向に全力疾走する。更に角を何度も曲がったり狭い道を通り抜けても良いが、バックしている為にふらつきがちな車と接触したり袋小路に追い詰められたりしないよう注意する。後は尾行された場合と同様の対処をする。

(2001/10/18)

子供

衣服に、氏名・住所・電話番号・血液型(ABO式及びRh式)・持病を記したワッペンを縫い付けておく。これには見知らぬ人物に個人情報を特定されてしまうというリスクがある。子供の安全の為に、どのリスクを重要視するのかよく検討する。日頃から、見知らぬ人への応対の仕方を覚えさせておく。親がいるときに、火や刃物の危険性を教えておく。火や刃物を完全に子供から隔離することは出来ない。従って、親がいるときに触れさせて、いかに危険であるかを叩き込む。公園などで遊ばせるときは、常に彼等の近くで周囲を含めて監視する。5秒と目を離してはならない。

(2001/10/18)

犯人像の記憶

性別・年齢・髪(色・長さ等)・顔・身長・体型・服装・靴・言葉遣い・その他(装飾品・動き方・傷跡・刺青・かばん)
犯人が去って通報した後、警官が到着するまでに、もう一度よく思い出したりメモしておく。

(2001/10/18)

携帯電話の「ワン切り」、架空請求

最近多くなってきた「ワン切り」。着信音が一回鳴るか鳴らないうちにに切れてしまう。相手の電話番号が着信履歴に残る。。気になるのでその番号にかけてみると「ツーショットダイヤル」「出会い系」の宣伝であったことが分かる。通話料さえかからない営業方法で、人件費を考えてみてもうまい方法を考えたものである。(PCを使えば人件費もかからない。)自分が留守番電話サービスを利用しているなら、重要な用件は録音してくれるはず。興味本位でかけてみないこと。折り返し電話のあった番号をリストアップされることも考える。どうしても確認する必要がある場合は、公衆電話やコレクトコールを利用する。

架空請求に対しても、それ以上の情報を相手に与えない事。メールや電話での請求に、氏名や住所を答えない事。

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