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軍装品は究極の実用品といったイメージがあるが、サバイバル装備としては必ずしも最適ではない。
兵士自身、官給品に満足できず自腹を切って、PX(酒保)やアウトドアショップで装備を買い求めるのが通例である。まして、服務規程のない民間人が、上から下まで官給品で揃えるのは理屈に合わない。
特殊部隊の装備については上記は当たらないかもしれないが、それらは更に高価である。
「サバイバル」の代名詞、火の起こし方について、リクエストがあったので、ここで紹介します。
実は前々からこのテーマに関しては気にはなっていましたが、敢えて無視していました。というのも、テーマとしてありふれていることに加え、百円ライター1つあれば(たとえガスが切れていても)簡単に解決してしまうからです。
しかし何のアナウンスもなく省略するのはやはり不親切かもしれません。そこで今回はこの正統派的テーマに取り組みます。
ただし、しつこいようですが、野外でマッチやライター無しで火を起こすのはかなり面倒な作業で、それほどの苦労をするならライターを忘れずに準備する方がはるかに理にかなっている楽な方法であることをご承知の上で、以下のコンテンツを参考にして下さい。
熱・燃料・酸素〜どれか一つでも欠けると火は起きない。また小さな炎から徐々に大きな炎を得る。(例:マッチから火口、火口から小枝、小枝から少し太い薪)
よく人間のはく息は二酸化炭素だと誤解されているが、酸素が多く含まれているので、くすぶる火口に息を吹きかけるのは有効な方法。(昔ながらのフイゴと同様)
薪等で酸素の入り口をふさがないこと。
(着火順。全て着火前に用意し、整理して積み上げておく。)
まず、周辺の可燃物を片付け、火床から半径2.5メートルは地面を露出させる。
地面が湿っている場合は火を大きくしたり、生木を並べその上に薄く土を敷いたりする必要がある。
石でカマドを作るときは、濡れた石やヒビ・小穴のある石を使わないこと。破裂する可能性がある。
最初に熱を得る手段
マッチ | マッチの防水加工にはマニキュアを頭薬部分に塗る。擦るよりも叩き付けるようにする。よく、ロウを塗る方法が紹介されているが、使用するときにロウを落とすのがかなり面倒。防水防風マッチも市販されているが、やや過剰装備に過ぎる気も。 | |
ライター | 軽くて、オイルの残量が一目で分かり、単純な構造の百円ライターが一番。もし、オイルが無くなれば、トイレットペーパー等の上に火口をのせ、ゆっくりとフリント(石)を削りだし、最後に火花を飛ばして着火する。容器には大きな圧力がかかっているので、道路に落ちていた百円ライターは他に手段が無い限り使わない。 | |
ろうそく | マッチ、ライターの寿命を延長するために有効。溶けたロウも無駄にしないこと。 | |
凸レンズ | 当然、利用はよく晴れた日中、日の当たる場所に限定される。カメラ、ビノキュラー等からも取り出せる。ライトの反射鏡の焦点も利用できる。小さなレンズだと効果の無い場合が多い。意外に根気が必要。この場合、火口は暗い色のものが良い。炭で黒くしておくと良い。試したことはないが、以前TV番組で蚊取り線香が良いと紹介していた。水を利用して作ったレンズは焦点を見つけるのが難しいのが難点。 | |
マグネシウム合金 | ブロック状の塊と発火棒(火打石)を組み合わせたものがファイアースターターとして市販されているが、メーカーによっては品質にばらつきがある。数千度の熱を発するので強力な着火力がある。ライターのバックアップとして用意する。米軍のパイロット用サバイバルベストに収納されていることで有名。 | |
バッテリー | 普通自動車のバッテリーの両極からワイヤーを伸ばし、先端をゆっくり近付けショートさせ、火口の上に火花を飛ばす。充分な太さと長さをもったワイヤーを使用し、必ず、通電しない素材の手袋を着用する。火口とバッテリーは離れた場所に設置する。危険の伴う方法。 | |
薬品 | 以下の化学薬品は非常に危険なので、取り扱いには充分注意する。衝撃を与えたり撹拌したりしないこと。 過マンガン酸カリウムと砂糖(これに不凍液(グリセリン)を数滴加えても良い) 塩素酸カリウムと砂糖 塩素酸ナトリウムと砂糖 薬品を使った発火法については危険性が高いので、詳しくは触れない。 |
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ボウドリル (弓ギリ)drill.png |
漫画で原始人がよく使う方法。この方法は貴重な体力を浪費する意味で最悪。米軍のマニュアルでも最後の手段とされている。器用な人なら制作時間を別にすれば20分程度で煙を出せるかもしれないが。制作にはナイフが不可欠。単一の材料を使うなら乾燥した杉が良い。 | |
弓 | 長さ70センチ程度。弾力性のあるもの。弦にはパラシュートコードなどを利用。 | |
キリ(棒) | 木でキリ(発火棒)を作る。一番重要なのは真っ直ぐであること。次に硬いこと。直径2センチ、長さ30センチ程度。両端を削って尖らせる。 | |
キリの押さえ | 手のひらに収まる大きさの板をキリの押さえとして利用する。中央のキリを当てる部分を削って丸い凹みを作る。 | |
板 | 長さ30以上x幅10x厚さ2(センチ)。辺上にV字型の小さな切れ込み(3センチ)を入れ、さらにV字の頂点に丸い凹みを作る。ここがキリとの接点になる。 | |
まず、V字の切れ込みの下に火口を敷く。板を足で押さえ、キリを切れ込みの上に垂直に立て、弓を利き手で持って、弦をキリに一巻きする(弦を手前に、弓が張り出すように)。キリの上端に押さえをのせて、反対の手で押さえる。弓をリズミカルに動かす。 |
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