生存術教書 How To Survive (サバイバル技術アーカイブズ)

地震発生時まずすること

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地震発生からの手順

家にいた場合

(会社にいた場合については010500昼間人口対策参照)

まず、落ち着く。
火を扱っているなら、小さな揺れの間(初期微動継続時間)に、火を消す。(震源が近いほどこの時間は短くなる。無理は禁物。)
余裕があれば外に繋がるドアや窓を開放しておく(家屋が歪むと開かなくなる)。
机やテーブルの下に身を隠す。
スリッパや靴を履く。ヘルメットや防災頭巾をかぶる。
大きな揺れが収まるのを待つ。
ガス、電気(電気製品のプラグをコンセントから抜き、ブレーカーを落としておく)等の火元を確認する。
人員点呼
ラジオ・TVで情報を確認する(海岸沿いは津波に注意)。同時に非常用セットを装着する。
安全な部屋に移動し、余震に備える(ガムテープで家具の転倒防止強化・ガラス飛散防止)。
家が倒壊しそうなときのみ急いで避難する。
家が安定しているなら、注意しながら周辺の様子を確かめる。(例:隣りのマンションやビルが倒れてこないか)

夜間の場合は、ライトの確保。ロウソク等の裸火の取り扱いにはくれぐれも注意(基本的に裸火は使用すべきでない)。

地震発生時に火を消すべきなのか
コンロやストーブのすぐ傍にいる場合は、小さな揺れや音などの地震の兆候を感じたらすぐに消火する。1秒の遅れが重大なので少しでも異変を感じた瞬間に行動すること。消火に数秒以上かかるようなら、火から充分に距離を取り、揺れが収まってから器具を点検する。コンロにかけた鍋は飛び跳ね、ストーブは滑り出し、意外に遠距離にまで被害を及ぼす。手を伸ばせばすぐ消せるなら消す、それが無理なら諦めて離れる。ここで躊躇すると非常に危険だと思われます。

地震の後、電気は比較的早く復旧するが、その際に漏電・発熱が予想される。揺れが収まり、避難を開始するときは、コンセントからプラグを抜きブレーカーを忘れずに切っておく(火災予防)。
被災地ではガス管が破裂している可能性があるので、喫煙等の火を使うことは避ける。

地震発生後、いち早く水を確保せよと言われることがよくある。確かに水は貴重で不可欠な物資ではある。もし何らかの事情で飲料水さえ確保出来なかった場合には、地震発生後に少量を確保することも必要かもしれない。しかし、地震後に残された水は非常に貴重な公共の財産であり、個人での大量確保は許されないだろう。一回のトイレやシャワーでも大量の水を利用している。水道管の損傷によって汚染されている可能性も大きい。

外出先

屋外にいた場合

まず、頭を覆ってショーウィンドウや窓等のガラス、ブロック塀(芯の入っていないものが多い)から離れる。
特に電柱に気を付ける。電柱自体の倒壊のほか、トランス落下によるオイル流出や電線のぶら下がり等が考えられる。
安全な建物に逃げ込むのも一つの方法だが、丈夫な建物の見極めは難しい。銀行が安全という説もあり、確かに銀行が倒壊を免れた例もあるのだが、1階でしかも柱が少ないことが多い点から、必ずしも安全とは言えない。日頃からめぼしい建物を見つけておく。
海岸沿いにいる場合は津波の危険がある。津波は震度に比例せず、予測が難しい。甘く見ず、早めに避難する。道路は通常海岸線沿いに伸びているので、車を使わず、自分の足で走って高度をかせぐ。
一般に地震の起きたとき、がけは危険だが、竹の生えている所は安全度が高い。

建物内にいた場合

太い柱の近く(但し柱のすぐ横が安全とは言い切れない)、柱の多い場所に、スーパーのかご等で頭を保護してうずくまる。出来れば、机やテーブルの下。無ければ、自分の横にあるものよりも低い姿勢を保つ。不安定な棚・ガラス等を避ける。
聞き耳を立てる。被害状況を確認する。誰が建物に詳しく冷静な誘導を行っているのか見極める。
非常口を把握する(普段から留意しておく)。最善の脱出ルートが阻まれていることを想定し第二のルートを確保する。
出口に殺到しない。充分死にいたるだけの圧力がかかる。本来は係員の誘導に従うべきだが、それが充分になされない場合は、ひとまず集団から離れて周囲をよく観察する。

エレベーターに乗っていた場合

階数ボタンを全て押すと、最寄の階に止まる。最近の機種は自動的に最寄り階で停止することも。
止まらなくても、映画のように天井部分から逃げようとしないこと。感電の惧れ有り。
非常ボタンを押して指示を仰ぐ。
地震発生後はエレベーターを使わないこと。

車に乗っている場合

運転に支障がある場合、アクセルをゆるめ徐行して道路左端に停車する。エンジンを切る。サイドブレーキを引く。キーは抜かない。
出来れば、橋・電柱・送電線・不安定な構造物を避けて駐車する。
送電線等が車に接触している場合はすぐにエンジンを切って外に出ない。
しばらくラジオで状況を分析して、今後の行動を計画する。
状況が深刻でなく、再び運転を続ける場合も、自動販売機等で飲料水は確保する。
車を乗り捨てる場合は、キーをつけたままロックせずに置いておく。
車に積んであるジャッキを使用して重量物をジャッキアップする場合は、倒れやすいので、必ずブロック等で補強しておく。

電車やバスに乗っている場合

電車やバスはそれ自体一種のシェルターの役割を果たす。従って、むやみに外へ出ないこと。比較的急いで外へ出る必要があるときは、高架やトンネル内にいるときだが、それは言い換えると、それ程(車体が耐えられないほど)外が危険だということ。乗務員に従って、順序良く下車する。

全般

不確実な情報(噂・流言)を流さないで下さい。流れてきたら自分で止めて下さい。チェーンメールには非常に悪質な物も多くあります。情報は出来るだけ一時的な発信源や比較的信頼出来る機関から得るようにします。噂話を聞いたら、それを他人に流布せず、はっきりした出所や根拠を確認して下さい。正しい発信源からの情報でも、人から人へ伝わる際には不正確になっていきます。正しい情報はPTSD(Post-Traumatic Stress Disorder:心的外傷後ストレス障害)にも有効。

車で逃げない。道路が寸断し、渋滞に巻き込まれる可能性が高い。また緊急車両の邪魔になる。
自転車やバイクで移動する場合は、パンク修理キットを携行する。

他人と共同で利用する避難所では、譲り合い助け合いの精神を忘れないようにして下さい。公民館や体育館の中でも、大勢の人々が押し寄せて混乱しがちであるからこそ、占有スペースは出来るだけ規則正しく配置して通路を確保して下さい。綺麗に並べば無駄なスペースが減り、多くの人が利用出来ます。また配給や用便の際の移動も容易になります。それがお互いの利益になります。自動車の駐車についても、無秩序に並べると後で面倒です。白線が無くても非常時でも出来るだけ秩序を維持して駐車しましょう。

自分に出来ることをしましょう。公的な施設で係員がいても、大抵の場合は人員が不足し、過大な負担を強いられています。仕切りたがり屋さんが無秩序に勝手なお節介を焼くのは時に困りものですが、避難民の中でも元気で余裕のある方は、組織的に係員の指揮下に入ってお手伝いしましょう。係員の立場にある方も、自分が過労で倒れる前にお手伝いをお願いして、一段階ずつ、出来る範囲で適切な指示を与えて下さい。


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